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研究代表者  武藤 学

研究代表者 武藤 学

 当ホームページにアクセスしていただき、ありがとうございます。京都大学医学部附属病院 腫瘍内科では、日頃から多くのがん患者様の診療を行い、がん薬物療法を中心に、患者様・ご家族の方々のご希望・ご心配に寄り添いながら、最善の治療が提供できるよう取り組んでおります。
 がんという病気は、患者様だけでなく、その療養を支えるご家族が抱える苦悩や負担も決して小さいものではありません。また、治療が及ばず患者様を亡くされた方々は、病院を離れられ、我々医療従事者が継続的に関わらせていただくことは難しくなります。本研究は、そのような死別を経験された方の気持ちつらさを少しでも軽減できないか、という考えのもと、立案・計画されました。ぜひ、研究にご参加をいただき、みなさまのお役に立てることを願っております。

主任研究者  釆野(うねの)

主任研究者 釆野 優

 本研究に関心を持っていただき、誠にありがとうございます。私は、臨床医として主にがん診療に携わり、ご本人だけでなく、ご家族の苦痛・苦悩も和らげたい、と日頃から考え診療に従事してきました。ただ、私たち医療者は、ご本人がお亡くなりになられたことを境に、どうしてもご家族との接点が途切れてしまいます。その度に、大切な方を亡くされたご家族の、その後の生活に思いを馳せるとともに、医師として、研究者として、何かできることはないか、と模索してまいりました。本研究は、様々な方とのご縁やお力を借りながら、綿密に計画され、今日の研究実施にまで至ることができました。改めて、関係者各位のご厚意に感謝申し上げますとともに、本研究に関心を持っていただけた方々のお役に立てるよう、身の引き締まる思いが致します。
 私が、研究のご説明などのウェブ面談を担当させていただきます。がん以外でも、病気や事故で大切な人を亡くされた方は、本研究に参加いただけます。詳しくは、「研究に参加いただける方」をご確認ください。ぜひ、研究参加のお申し込みをいただきますよう、よろしくお願いいたします。

プログラム開発責任者  小寺 康博 (ノッティンガム大学(英国)・准教授)

プログラム開発責任者 小寺 康博 (ノッティンガム大学(英国)・准教授)

 本研究へのご関心、誠にありがとうございます。私は、英国の認定心理療法士、また、研究者としてメンタルヘルスの研究を続けていく中で、セルフコンパッション、つまり自分へのいたわりがメンタルヘルスに強く関連していることを発見しました。日本を含め様々な国の人口(イギリス、ドイツ、南アフリカ、インドネシア、マレーシア、チェコ、アイルランド、オランダ等)を調べましたが、多々ある心理要素の中で、セルフコンパッションが一貫してメンタルヘルスと非常に強く関連していました。セルフコンパッションは比較的新しい心理要素ですが、心の状態が苦しい様々な人たちに介入が提供され、彼らの心を癒してきました。しかし、遺族の方々に対しては未だしっかりとした介入が提供されていないというのが現状です。大切な人を亡くし、心のいたわりを必要とする皆様に、このセルフコンパッションを理解し、体感してもらい、そして、習慣化していただく。そうすることで、自分で自分の心のケアをする、つまり心のセルフケアができるようになる。そのような過程のお手伝いがしたく、今回の研究実施に至りました。セルフコンパッションに関する最新の研究と実践報告を踏まえ、また、各分野の専門家との議論を重ねて今回のセッションを講座を構築しました。皆様の心の苦しみが少しでも軽減し、心の健康に貢献できたらと強く願っております。